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Saturday, November 19, 2022

料理研究家がすすめる、骨粗鬆症の予防になるおいしいレシピ3品 | サライ.jp|小学館の雑誌『サライ』公式サイト - serai.jp

文/鈴木拓也

骨粗鬆症を防いだ食生活の改善

料理研究家・栄養士として活躍される今泉久美さん。

還暦を目前にして、大病を患ったのが一昨年のことだという。治療のためホルモン療法をすることになったが、副作用として骨密度低下による骨粗鬆症の懸念があった。

そこで、食生活を見直して1年半。骨密度の検査をしたところ、骨量が充分にあることがわかり、「ほっとすると同時に飛びあがりたいくらいにうれしかった」と言う。

骨粗鬆症の予防といえば、よく「カルシウムを充分に摂取することが重要」と聞くが、実はそれだけでは不十分。ビタミンD、ビタミンK、たんぱく質などを組み合わせることで吸収率がアップする。今泉さんは、栄養素が過不足なく摂れるよう、「骨を育てる食事7か条」を打ち立て、日々の食事に気をつけた。

その知見・経験を生かしてできたのが、レシピ集『いくつになっても「骨」は育つ!』(文化出版局)だ。本書には、おいしさと骨粗鬆症の予防を両立させた数々のレシピが掲載されている。今回は、その中から3品を紹介しよう。

「いわしのなめろう」

「いわしのなめろう」(写真:木村拓)

「骨を育てる食事7か条」の1つに「魚介や小魚を1日1回取る」がある。一見ハードルが高めに思えるが、缶詰や乾物も手軽に活用してかまわないそうだ。また、生魚も高価なものにする必要はない。

「いわしのなめろう」は、カルシウム、DHA、EPAが豊富ないわしをメインにしたおかず。酢をかけることで、カルシウムの吸収率がアップする。


【材料(2人分)】
・いわし(刺身用):大2尾(120g)
・信州みそ:大さじ1
・青じそ:4枚
・きゅうり(種を取って薄切り):1本分
・紫玉ねぎ(横薄切り):1/4個分(40g)
・しょうが(せん切り):1かけ
・酢:適量

【作り方】
1 イワシは3枚におろして腹骨と皮を除き、斜め3mm幅に切る。みそを混ぜる。
2 器に青じそ、きゅうり、玉ねぎ、1のいわしを盛り、しょうがをのせて、酢をかけて混ぜていただく。

「厚揚げのゴーヤチャンプルー」

「厚揚げのゴーヤチャンプルー」(写真:木村拓)

「骨を育てる食事7か条」には、「豆腐、高野豆腐、納豆を1日2回とる」という条目もある。いずれも大豆の加工品であるが、タンパク質とカルシウムが豊富で、鉄分や葉酸も含まれていることからすすめられている。

「厚揚げのゴーヤチャンプルー」は、豆腐を揚げてできる厚揚げを使うが、これは木綿豆腐と比較してカルシウムは2.5倍、ビタミンKは4倍と栄養豊か。余分な油は、熱湯をかけて油抜きする。

【材料(2人分)】
・厚揚げ(木綿):1/2丁(110g)
・ゴーヤ:1/2本(100g)
・にんじん:小1/3本(30g)
・ツナ缶(油をきる):小1/2缶(30g)
・削りがつお:小1パック(2g)
・ごま油:大さじ1/2
・A-塩:小さじ1/4、こしょう:少々、酒:大さじ1

【作り方】
1 厚揚げは熱湯をかけ、縦半分に切ってから1cm幅に切る。ゴーヤは種とわたを除き、横3mm幅に切る。にんじんは太めの斜めせん切りにする。
2 フライパンに油を熱し、ゴーヤを炒め、厚揚げ、にんじんを加えて炒める。ゴーヤの色が鮮やかになったら、ツナ缶とAを加えさっと炒めて火を止め、削りがつおを混ぜて器に盛る。

「鮭とかぶのシチュー」

「鮭とかぶのシチュー」(写真:木村拓)

今泉さんが、「1日2回とる」ようすすめる、もう1つの食材は、カルシウム豊富な乳製品。これに、(カルシウムの吸収率を高める)ビタミンDが多く含まれている鮭を合わせたのが、「鮭とかぶのシチュー」。

【材料(2人分)】
・生鮭:小2切れ(140g)
・A-塩:小さじ1/4、こしょう:少々
・玉ねぎ:1/2個
・かぶ:小2~3個(150g)
・かぶの葉:2個分(50g)
・しめじ:小1/2パック(50g)
・小麦粉:大さじ1/2
・白ワイン:大さじ2
・水:1/4カップ
・低脂肪乳:11/2カップ
・オリーブ油:大さじ1
・B-うす口しょうゆ:小さじ1、こしょう:少々

【作り方】
1 鮭は1cm厚さのそぎ切りにして、Aをふる。
2 玉ねぎは薄切りにする。かぶはへたを落とし、皮ごとくし形切りにする。葉は2~3cm幅に切る。しめじは石づきを取ってほぐす。
3 フライパンにオリーブ油を熱し、1の鮭の水気をふいて小麦粉を軽くはたきながら入れる。両面を焼いたら端に寄せ、あけたところに玉ねぎ、しめじ、かぶ、かぶの葉を順に加えて、炒める。
4 3に残りの小麦粉をふってさっと炒め、白ワインをふって煮立てる。分量の水を加えて鍋底からよく混ぜ、煮立ったらふたをして3分ほど弱火で煮る。
5 牛乳を加えて温めBを加えて味を調える。

* * *

今泉さんは、こうした骨の健康を意識した食事を心がけるようになったところ、骨密度が同年代との比較で111%もあり、自身と比べても以前より高くなったという。骨の健康が気になる方は、本書の料理を食生活に取り入れてみてはいかがだろうか。

【今日の健康に良い1冊】
『いくつになっても「骨」は育つ!』


今泉久美著
文化出版局

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文/鈴木拓也 老舗翻訳会社役員を退任後、フリーライター兼ボードゲーム制作者となる。趣味は神社仏閣・秘境巡りで、撮った映像をYouTube(Mystical Places in Japan)に掲載している。

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