地軸
一杯のコーヒー
2021年8月30日(月)(愛媛新聞)
朝の一杯が欠かせない。そんなコーヒー党も多いのではないか。ひいた豆をペーパーフィルターに入れ、そっと湯を注いだ途端、ふわっとした香りが広がる。ペーパードリップなら家庭でも簡単に至福の時に浸れる▲
全日本コーヒー協会がコーヒーの香りの効果に関する研究をホームページで紹介している。人気6種類の豆でリラックス度の指標となるアルファ波の出方を比較。その結果、高い効果を示したのがグアテマラとブルーマウンテン▲
集中度についてもP300という脳波で実験した。するとリラックス度では低かったブラジルサントスやマンデリン、ハワイ・コナに高い効果ありと出た。さて、出勤前の朝の一杯とするなら、どれを選ぼうか▲
とはいえコーヒーは好き嫌いの分かれる嗜好品でもある。旦部幸博著「珈琲の世界史」は、日本人初の飲用体験記として江戸期の文人大田南畝の感想を取り上げている。いわく「焦げ臭くて味わうに堪えない」。今にも通じるコーヒー嫌いの心境を映すようで興味深い▲
ここのところ値上げのニュースが多いと憂えていたら、家庭用コーヒーが追い打ちを掛けてきた。スーパーなどに並ぶ大手の商品は来月から2割程度上がる。豆の選択も今以上に価格とにらめっこになりそうだ▲
豆相場高騰の背景には、新型コロナワクチン先進国での需要回復期待もあるとか。早く日本も―。気がせくのを落ち着かせる一杯がまだ必要だが。
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