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Friday, February 5, 2021

コーヒーの経験生かしUターン 徳島・阿南に開店 - 朝日新聞デジタル

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 徳島県阿南市の山あい、那賀川の清流が流れる加茂谷地区に2020年11月、自家焙煎(ばいせん)のコーヒー豆店「カモ谷製作舎」がオープンした。徳島にUターンした岡崎裕樹さん(38)がコーヒー業界で長年働いてきた経験を生かし、夢だった自分のお店を構えた。

 岡崎さんは徳島空港がある松茂町の出身。県内の高校を卒業後、大阪の会社で働き、一度実家へ戻った。就職先を模索していたころ、コーヒーをいれたりする専門職人、バリスタを紹介する本を手にした。「格好いい」と見とれた。もともと人と話したり、接したりするのが好きだったこともあり、バリスタの道を目指すことにした。

 大阪のカフェでバリスタとして勤め、コーヒーをいれる面白さにのめりこんだ。3年ほど働いた後、原料についても学びたいと、コーヒー豆の問屋に移り、仕入れや販売の知識を身につけた。焙煎機とミルの製造販売会社でも働き、東京では機器のメンテナンスなどにあたった。コーヒーに関わる様々な職種を経験し、気がつくと、コーヒー業界に14年いた。その間、徳島出身の妻と結婚し、子どもも2人生まれた。

 都会で暮らしながら、いずれは徳島に帰りたいという気持ちはずっとあった。

 「東京は便利で何でもそろう。住むには不自由しませんでした。でもずっと暮らしていく場所とは違うのかなと感じていました。子どもは田舎で育てたかった」

 コーヒーのお店を持つという長年の夢をふるさとで実現させたかった。徳島に帰ることを決意し、3年後と期限を決めて準備を始めた。都内で開かれる移住フェアに家族で参加し、移住先を探した。徳島の各地にも足を運び、あちこちで泊まってみた。

 そんななか、移住イベントで加茂谷地区のことを知り、訪れてみた。「5月の新緑の季節で、景色もすごくよかった」。自然に囲まれた環境でありながら阿南市の中心部からもさほど離れていない。気に入った。

 昨年2月に東京から引っ越し、空き家を改修して暮らし始めた。隣の納屋をお店にすることにした。

 移住の準備をしているとき、加茂谷地区の地域おこし協力隊員の枠に空きがあることを知り、応募した。地域の人々と交わる町おこしにも興味があった。

 いまは週に4日協力隊員として活動し、お店は金曜と土曜の週2日開いている。扱うコーヒー豆は高品質の8種類。生産者がわかるコーヒーを扱うことで支援し、社会貢献にもつなげたいという思いがある。

 お店では妻の有美さん(37)=三好市出身=の手によるワンピースやモンペなどの衣料も販売。地域の人々が手作りしたお菓子やリースなどの商品も置き、応援にも力を入れる。

 「ここは住みやすいけれど、仕事がなくて離れていってしまうこともある。いずれはこの地域にある空き家を様々な店舗に改装し、ここで商売をして根付いてもらえれば定住にもつながる」と岡崎さん。

 まずは自分のお店を軌道にのせ、お年寄りら地域の人々とともに加茂谷地区を元気にしたい。

 カモ谷製作舎(阿南市加茂町宮ノ前)の営業時間は金、土曜の午前11時~午後5時。問い合わせは同店(090・9771・9299)。(伊藤稔)

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