すし、ガラス工芸、運河や赤レンガ倉庫の街並みなどで知られる北海道内有数の観光都市、小樽。1960年代から地元で親しまれている味が「小樽あんかけ焼きそば」だ。2019年に開いたご当地グルメのイベント「B―1グランプリ」全国大会で4位に入るなど、じわり脚光を浴びている。
「小樽市民の社員食堂でありたい」。JR小樽駅前のアーケード街「小樽都通り商店街」で64年から営業する「中華食堂 桂苑(けいえん)」の店主、沢田初さんは話す。世代を超えて訪れるファンに料理を提供するため、創業当時の味にこだわる。
ニンジンやタケノコ、キクラゲ、ピーマン、白菜、タマネギ、モヤシといった野菜と豚バラ肉やエビをあんに絡める。茶色のあんはしょうゆベースで、砂糖やニンニクを加えて味付けする。具材の量は多く、箸でかき分けないと焼きそばにたどり着けない。
同じく都通りに店を構える「五十番菜館」も59年に創業した老舗だ。あんかけ焼きそばは開店当初からメニューに入れている。あんには砂糖を使わず、野菜の甘みで濃いめのこってりとした味わいを出している。尻尾付きのエビを囲むように、グリーンピースを散らしている。
あんかけ焼きそばが小樽で広まったのは、すでに廃業した「中華料理 梅月」の影響が大きいとされる。同店は57年に「五目あんかけやきそば」の提供を始めた。当時の小樽市内は百貨店3店が営業する活気ある時代。あんかけ焼きそばを買い物帰りに食べるというのが「休日の定番レジャーだった」(五十番菜館店主の沢田寛さん)という。
60~70年代に「札幌味噌ラーメン」が道内各地ではやり、札幌市などではラーメン専門店が増えた。ただ、小樽では既に、あんかけ焼きそばがハレの日の定番料理に育っており、地元に根付いた。現在はゴルフ場やホテル、スーパー銭湯などでも味わえる。
JR南小樽駅から徒歩圏内の喫茶店「時代屋」のあんかけ焼きそばは豪快だ。ゆでたエビを頭から尻尾まで丸ごと2尾のせ、殻付きのムール貝3個も盛り付ける。同店が北海道余市町内で借りている菜園で栽培した野菜を使うなど食材にもこだわる。
新型コロナウイルスの感染拡大前は訪日外国人客も多く訪れていた時代屋。店主の甲谷京子さんは「オイスターソースや調味料を変え、訪日客も食べやすい味付けを目指している」と説明。訪日客が戻ってくる日を心待ちにしている。
小樽あんかけ焼きそばを食べる際に欠かせないのがトッピングだ。店ごとに独自に進化してきただけに、決まったルールはないものの、練り辛子と酢、紅ショウガの3つが代表格といえる。
練り辛子は皿の端にそっと盛ってあることが多い。あんに混ぜたり、具材の上に少しのせたりして楽しむことができる。酢を垂らすとコクが増し、あんの味を変えられる。チャーハンや焼きそばでもおなじみの紅ショウガは盛り付けに彩りを添えるといった役割も果たしている。
(札幌支社 高橋徹)
[日本経済新聞夕刊2020年7月9日付]
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