第25回参院選の開票作業が22日早朝におおむね終了し、改選124(選挙区74、比例50)の議席が固まった。自民、公明両党と、憲法改正に前向きな日本維新の会の議席は計81で確定し、憲法改正の国会発議の条件となる定数の「3分の2」(164議席)を維持するのに必要な85議席には届かなかった。比例で1議席を確保した社民党は、比例得票が2%を超え、公職選挙法や政党助成法などが定める「政党要件」を維持できることになった。
22日未明にもつれ込んだ改選50の比例代表の最後の枠の争いでは、「NHKから国民を守る党」(N国)が自民党に競り勝ち、初の議席を獲得した。自民は比例19議席で2016年と同数にとどまった。N国は比例得票は2%に届かなかったが、選挙区候補の得票合計が2%を超え、「政党要件」をクリアした。公選法によって認められる選挙活動の幅が大きくなり、政党助成金を受け取れるなどのメリットがある。
「れいわ新選組」は2議席を得て、比例での得票率が2%を超えて政党要件も満たした。比例で立候補した山本太郎代表は約96万票の個人票を得たが落選した。政党が優先的に当選する候補者を選べる「特定枠」制度で2人を擁立しており、山本氏の枠まで確保できなかった。
総務省によると投票率(選挙区)は48・80%で、過去最低だった1995年の44・52%に次ぐ低い水準になった。女性議員の当選者は28人で、過去最多だった16年と同数となった。
自民党は57議席、公明党は14議席と与党で計71議席を獲得し、自民幹部が「勝敗ライン」とした「与党で改選過半数」の63議席を超えた。16年参院選で獲得した自公70議席を上回ったものの、大勝した13年参院選の76議席は下回った。自民は改選67議席を10下回り、参院での単独過半数を失った。
改選数1の「1人区」で自民は22勝10敗と勝ち越した。13年の29勝2敗には及ばなかったが、今回同様に野党が統一候補で戦った16年の21勝11敗は上回った。改選数2以上の複数区では北海道、千葉、東京で2議席を獲得した。
公明は改選数3以上の選挙区に公認を7人擁立し全員当選。比例は7議席を確保し、16年と並び過去最高の14議席を得た。
立憲民主党は改選9議席から倍近い17議席を獲得。ただし関西では京都、大阪、兵庫の複数区で議席を獲得できず、改選数6の東京でも2人目が次点となり取りこぼした。比例は8議席だった。国民民主党は選挙区で現職が3議席を維持したが、比例は3議席にとどまり伸び悩んだ。共産党は東京、埼玉、京都で議席を得たが比例は4議席で、改選8議席から1減の7議席となった。【野口武則】
2019-07-22 02:58:00Z
https://mainichi.jp/senkyo/articles/20190722/k00/00m/010/193000c
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