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Monday, August 30, 2021

野菜の日に考える 生産拡大で健康後押し - 日本農業新聞

kuahbasolah.blogspot.com
 新型コロナウイルスの流行による巣ごもり需要で野菜の家庭消費が増えた。野菜消費の増加は国民の健康増進に貢献。生産の拡大は農業の収益性の向上につながる。31日は「野菜の日」。野菜の重要性を再認識し、生産と消費の拡大に官民挙げて取り組もう。

 総務省の家計調査では、2020年の生鮮野菜の年間購入数量は1人当たり(2人以上世帯)59キロで、前年比7%増。支出額も同11%増え2万5400円だった。購入数量は減少傾向だったが、コロナ禍による家庭で過ごす時間の増加などで大幅に増えた。

 厚生労働省の国民健康・栄養調査によると、20歳以上の野菜摂取量は19年が1日平均280グラム。ここ10年間で見るとはあまり変わっておらず、同省が目標とする350グラムを大きく下回る。年齢階級別では、男女ともに20~40代で少ない。健康増進の観点から、青壮年を中心に野菜消費を増やす必要がある。

 調理の簡便化志向はコロナ禍で強まっている。農畜産業振興機構(ALIC)による20年の販売時点情報管理(POS)データの分析では、カット・冷凍野菜の購入額が大きく増えた。カット野菜製造・販売大手のサラダクラブの今年2月の調査では「パッケージサラダ」を週1回以上利用する人は38%で、13年の調査開始以降で最高だった。同社は「調理の簡単さに加えコロナ禍で健康志向が高まり、利用が増えた」と指摘する。

 コンビニや外食も国産野菜を使った新商品を相次ぎ投入。ローソンはバンズの代わりに国産トマトを使った「トマトバーガー」を発売した。ハンバーガーチェーンのフレッシュネスバーガーも5種類の野菜を使った「ガーデンサラダバーガー」を売り出した。

 野菜需要の動向は、加工・業務用への対応の重要性を改めて示した。国産の割合は約7割で、100%近い家庭消費向けに比べシェア拡大の余地が大きい。農水省の調査では、加工・業務用の出荷量は19年が106万トン(直接取引分)で、前年比7%増。政府は145万トン(30年)に増やすとの目標を掲げる。

 一方、野菜の作付面積と生産量はともに、わずかながら減少傾向が続く。生産量は19年度に5年ぶりに増加したが、20年度は再び減少し、1147万トン。食料・農業・農村基本計画で政府が定めた生産努力目標1302万トン(30年度)との開きは大きい。

 野菜生産の拡大には、多様な担い手の育成・確保や農地の維持など生産基盤の強化が必要だ。加工・業務用野菜など高収益作物への米からの転換促進や、経営安定対策の拡充、物流の効率化なども求められる。生産から流通、加工、消費に至る総合的な対策を政府全体で構築すべきだ。

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