南房総市和田町花園で、農業を営む農地所有適格法人「花いちご」のブランドトマト「ワンダフルトマト」が、2021年4月度の野菜ソムリエサミットで、金賞に輝いた。食感や甘みなどで高い評価を得て、13品の出品があったトマトの中で唯一、受賞した。
同サミットは、日本野菜ソムリエ協会が主催する品評会。農産物のさらなる価値向上と農業の活性化、生産者の応援を目的に行っている。野菜と果物の青果部門、農産加工品の加工品部門で展開。野菜や果物の魅力や価値を社会に広めるスペシャリストである野菜ソムリエの中から、味覚や表現力のテストで一定の基準を満たす10人を全国から選出して評価員とし、絶対評価形式で審査。食味の優れたものを認証している。
同社のハウスでは、土ではなく特殊なフィルムを使い、灌水(かんすい)などを管理して育てる「アイメック栽培」で、トマトを栽培している。
おととし、台風などによりハウスが半壊。停電が続く中、従業員らが毎日、手作業で水やりをするなどした。復旧し環境は整ったが、11～6月が販売期間となるワンダフルトマトは、被災の影響もあり、昨年は同サミットに出品できなかった。
万全な状態で栽培された今年のトマトは、糖度も高まり、糖度10度以上に。同サミットに出品することを決めていたが、1～3月度は、新型コロナウイルスの影響で中止となった。
4月の開催が決まり、青果部門に品種「ちばさんさん」のワンダフルトマトを出品。評価員から、「皮はパリッと張りがあり、果肉もしっかりしていて、食べ応えがある」「濃い甘み。果物のようなフルーティーさがある」など、味や食感、香りで絶賛のコメントが寄せられ見事、金賞に輝いた。
愛情をかけて育ててきた従業員らは、今回の結果に歓喜。「台風の復旧に尽力してくれた方々、おいしいと言って食べてくれる皆さんのおかげ」と感謝の思いを述べた。
ワンダフルトマトは、「フルティカ」や「プレミアムルビー」といった品種もあり、市内の道の駅などで購入できる。また、同社のインターネットサイトでも購入可能。
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