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断続的断食(インターミッテント・ファスティング)にトライしようと考えている人は、朝食もランチも、遅い午後も絶対に何も食べないという自信があるに違いない(本当に、断食は冗談ではすまない)。しかし、断続的断食中はコーヒーも飲んではダメ? 食べ物には入らないけれど、かなりの必需品だということにはみんな同意するはずだ。
少し説明すると、ミシガン大学健康研究所(University of Michigan health Lab)によると、断続的断食は体重を減らす上に血圧を改善し、肝臓の脂肪を減らし、コレステロール値を下げる効果があるという。でも、それはなぜ? 実は、科学的裏づけはまだ不十分。ところが、理論上は、断続的断食中にエネルギーになる糖分が交換されることで体重が減ると言われている。
体のカロリーが欠乏すると飢餓状態になって代謝が遅くなり、脂肪細胞が蓄えていたブドウ糖を使って体を燃焼せざるを得なくなるのだと、Barbie Boules Longevity Nutritionの登録栄養士バービー・ブールズは話す。一時的な断食を繰り返すうちに、体重減につながる(理論的には、常に断食していると永遠に代謝は遅くなってメリットの妨げになるので、24時間食べないのは良くない)。
しかし、とにかくすべてはまだ理論上だ。「(断食中に)人間の体に何が起こっているのか決定的なことはわかっていないし、単にカロリーを減らす以上のメリットがあるのかどうかわかっていません」とブールズ。さらに、今まで肯定的な結果が出ているのは、人間ではなくほとんどラットを使った研究からだ。
それでも興味があって、午前中にコーヒーを飲みたいのなら、断続的断食がコーヒーの摂取にどんな影響を与えるのか、知っておくべきことをまとめてみた。
断続的断食にコーヒーを組み込むことはできる?
煎れたてのコーヒー1杯は無脂肪でほぼノーカロリーだから、ブラックで飲む限り、断食の邪魔にはならないとブールズは言う。さまざまなバリエーションのコーヒーや、何かを加えたコーヒーだと脂肪もカロリーもある。脂肪とカロリーを摂取すれば、もはや断食とは言えない。
アメリカ合衆国農務省(USDA)によると、プレーンなブラックコーヒーは2〜5カロリー(カップ1杯あたり)。だが、砂糖やミルク、クリームを加えると、朝のコーヒー1杯は16〜100カロリーにもなる。そのため、断食中のコーヒーは何か口にしていると感じるにはいい方法だけれど、カロリーをほぼゼロ状態にするには必ずブラックで飲むことが重要だ。体にカロリーを与えれば与えるほど、体はそれらをエネルギーにする。つまり理論上は、脂肪細胞に蓄えられたブドウ糖を使わなくなるというわけ。断食は断たれるのだ。
しかし、断続的断食をやっているなら、単に空腹の苦しみを和らげるためだけにコーヒーを飲む習慣を始めたくはない。カフェインは一時的に代謝スピードを上げ、飢餓モードから脱出させてくれる可能性があるのだ。「ですが、(既に)日常的にコーヒーを飲んでいる人なら、この熱発生作用は最小限にとどまリます」とブールズ。
言い換えれば、午前中にコーヒーを飲むのが癖になっている人は大丈夫。カロリーは最小限だし体はカフェインに適応している。だが、それまではデカフェコーヒーを飲んでいた人は、エスプレッソを一気飲みしたりしないこと。
コーヒーは断続的断食の効果を高める?
コーヒーを飲むと元気が出たような気分になるから、断食の効果を活性化するのでは? と思うのは当然だ。しかし、困ったことがある。これを肯定するデータも否定するデータもないのだ。そのため、専門家がどちらかの答えを出すのは難しい。
それどころか、コーヒーが断食中の体重減を促進させるような効果はさほどなさそうだと、Keatly Medical Nutrition Therapyのスコット・キートリーは言う。
ブラックで甘味を加えていないコーヒーは「代謝率を約3〜4%高める」ものの、体温がほんのわずかに上がる程度。「効果のピークは飲んでから約90分後で、効果は次に飲む時に、それも約2〜3時間の間隔を開けて飲んだ時に現れます」と彼は言う。
なるほど。ところが、これには問題があるとキートリーは言う。断食すると、体はエネルギーを節約するため代謝率を落とそうとするから、代謝が遅くなる。だから、断食状態の時にコーヒーは代謝を若干高めるかもしれないけれど、体は低速で機能している。本質的には、ブラックコーヒーを飲んだからといって特に何も得るものはないのだ。
断食を中断せずにコーヒーに入れていいものは?
「一般的なルールとして、コーヒーに入れていいのはノーカロリーのもの」と言うのは『The Small Change Diet』(Pocket Books刊)の著者ケリー・ガンズ。「つまり、ブラックを飲んだほうがいいということです」。
とは言うものの、ブラックで飲むのが好きではない人もいる。コーヒーに入れることができ、断食を中断しないものとして、キートリーは次のものを勧める。
- シナモンをふりかける
- ナツメグ少々
- ほんの少々のココア
- スプレンダ(Splenda)など低カロリーの甘味料
残念ながら、コラーゲンパウダーやMCTオイルなど人気の健康食品はNG。「1杯分でもカロリーが高過ぎる」とガンズ。少量のミルクや、砂糖分の入っていないアーモンドミルクも同様だ。カロリーがかなり高い。
断食中に他に飲んでもいいものは?
もちろん、水はOK。実際に食べない限り、風味づけとしてフルーツやレモンを絞るのもいい。他に何も加えないなら、甘くないお茶もゼロカロリーだから飲んでいい。
しかし、飲んではいけないのは、フルーツジュースやグリーンジュース、スムージーなどだ。液体は水と同じでカロリーゼロだと思いがちで、失敗することが多い。だが、ジュースやスムージーは食べ物から作られているので、断食を中断させるに十分なカロリーがあるのだ。
「健康を促進するメリットがあるという主張の背景にある考え方は、断食です(ゼロカロリーやエネルギー摂取)」とブールズ。「"断食時間中"に甘い飲料やジュース、スムージーなど高カロリーのものを摂取したら、断食していることにはなりません」
断続的断食のコンセプトは長時間、途切れることなく、カロリーを一切摂取しないということなのを忘れずに(そうでないと、体は、インスリン値が落ちて体が脂肪を燃やすのに必要な飢餓状態に入っていかない)。
ほとんどの人は16:8ダイエットを選ぶ。1日16時間断食して、8時間の間に飲食する。とはいえ、現時点で、16時間というのが痩せる結果が出る断続的断食の魔法の数字なのかどうかはっきりとはわかっていない。しかし、断続的断食が科学的にもっと解明されるまでは、合理的なルールだとも言えるだろう(2016年の研究では、もっとも痩せる効果が出るのは18時間と提案しているが、サンプル数は11人と少ない)。
断食中に食べてもいいものはある?
残念ながら、カロリーを摂取すると体はそれをエネルギーに換えて燃料にするので、もはや断食していることにはならない。それが結論だ。
では、何かを噛んだりすることは? すごくワクワクするというわけではないけれど、シュガーフリーのガムや糖アルコールやキシリトールなど、栄養価のない甘味料を使ったハードキャンディなら、普通の砂糖のようには摂取カロリーや血糖値に影響を及ぼさないから、断食は中断されないとブールズは言う(だが、念のために言っておくと、人工甘味料は膨満感や軽度の胃腸障害を起こす可能性がある)。
とは言え、断続的断食をやっている最中に空腹が我慢できなくなったり、何か食べないと惨めな気持ちになったりしたら、いつでも止めて、他の方法を試せばいい。断食は誰にでも向くものではないのだ。「1日に何時間か食事を制限しても、自分が肉体的・精神的に栄養状態が良く、満足しているならどうぞ。そうではないなら、これは良好な健康状態を達成するのに必要ではないものだと理解しましょう」とブールズはアドバイスしている。
※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
Translation: Mitsuko Kanno From Women's Health US
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からの記事と詳細 ( 「断続的断食」の最中に、コーヒーを飲んでもいい? - ハーパーズ バザー・オンライン )
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