観光や流通が大きな影響を受け経済活動が停滞し失業者が増えているタイ。4月から全国民が野菜栽培に取り組む90日間キャンペーンが始まった。地域ぐるみでナスやキュウリ、パクチーを育て家計の足しにしたり食料自給につなげたりするのが目的だ。
キャンペーンは、故・プミポン前国王が提唱した「足るを知る経済」の哲学に基づく。プミポン氏はアジアの通貨危機を経て、“ないものねだり”はせず、地域の循環や持続可能な農業や暮らしを大切にし、国民から愛されてきた。この哲学を踏まえ、タイ内務省コミュニティ開発局は、食料危機を起こさないようにキャンペーンを考案した。
タイ全77県にある開発局の職員が見本となるように、野菜の苗を1人5~10種類育てる。ベランダや庭、バルコニーなどで育てる。野菜はパクチー、ナス、ヘチマ、オクラ、トウガラシなど。
5月からは市長、行政機構、村長らが、少なくとも5種類の野菜を栽培し、野菜の種子を交換する。その後、村長、村の代表が家庭に対し、野菜の栽培方法を説明していく。各地域の開発局がキャンペーンを全面的に支援し、種子や苗を一部提供するという。開発局の担当者らがチームを作り、アドバイスしていく。野菜が育ったら、近所同士や仲間で交換し、交流を深める。村の9割以上がキャンペーンに取り組むなど成果が出たら、国が表彰する。
観光地のタイでは、失業者が急増していることも踏まえ、内務省コミュニティ開発局のスッティポン・チュンチャルーン局長らが提案し、自ら栽培している。
タイ王国大使館農務担当官事務所の農務担当サコン・ワナセッティー参事官は「誰でもできるし、改めて自分の生き方を見直すことができる」と強調。日本の農家に「日本との協調は変わらず進めていきたい。今はお互い、一人一人ができることをして、コロナが収束した頃には農業分野など双方の交流がますます盛んになることを願っている」とメッセージを送る。
日本でも…家庭用苗売り上げ増
日本でも、不要不急の外出自粛が呼び掛けられる中、家庭で野菜を育てようという動きが広がっている。特に都会や住宅街で、家庭菜園ができる野菜苗や肥料の売り上げが伸びている。
福岡県糸島市のJA糸島では4月10日から野菜苗の販売を開始したところ、売り上げは前年比130%と大幅に伸びている。古藤俊二経済部長によると、家族連れの来店が増え、土や肥料の相談件数も急増しているという。苗は、トマトやキュウリ、ピーマンなどが人気だ。古藤部長は「お金も掛からず、家で安全に楽しめることから注目されているのではないか」とみる。
大阪府高槻市のJAたかつきの緑菜館センター店でも15日から野菜苗を売り出した。販売初日は開店前から楽しみにする来客が多く、店側が入場規制を実施するほどだった。同店の担当者は「5000円分の苗を買って『スーパーで5000円分の食材を買う以上に収穫できるかなあ』と期待するお客さんもいる」という。
東京都あきるの市の種苗店「野村植産」でも、子育て世帯の来店が増えている。同店は「子どもに安全な食べ物を食べさせるために、初めて庭の片隅で始めるという人も多い。果菜類は難しいからジャガイモがいいですよとアドバイスしている」と話している。
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April 30, 2020 at 05:05AM
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[新型コロナ] タイで「野菜育てる」国民運動 コロナ禍で意識高まる 自給の重要さ再確認 - 日本農業新聞
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