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加藤あず佐
小さな傷や色むらがあるだけで廃棄される野菜の存在を知ってもらいたい――。そんな思いで、四條畷学園高校(大東市)の生徒らが、各地の農家から規格外野菜を集めて「ハーバリウム」の飾り瓶を作った。18日に大阪市内で販売し、利益を農家に還元する。
制作したのは、同校3年の川口凜寧(りんね)さん(17)ら4人。きっかけは、昨年の授業で取り組んだSDGs(持続可能な開発目標)のフィールドワークだ。特に規格外野菜に興味を持った川口さんらは、学校近くの農家を訪ねた。不ぞろいなナスやオクラが捨てられて山積みになっているのを目の当たりにし、「味は変わらないのにもったいない」と胸を痛めた。
「なぜ売れないのか」と八百屋に聞いたが、「お客さんは見た目で選ぶ。そんなに甘くない」と諭された。4人で話し合い、「規格外野菜の存在を多くの人に知ってもらうことが、やがて消費につながるのでは」と意見が一致した。独特な形に興味を持ってもらおうと、ハーバリウムにすることを思いついた。
授業ではアイデアを考えるだけだったが、川口さんらは休み時間を使って活動を継続。野菜をカットして乾燥させ、オイルで満たした瓶に浮かべると、おしゃれな飾り瓶ができた。
今年3月、高校生がSDGsのアイデアを発表する「SDGs QUEST みらい甲子園関西エリア大会」(朝日新聞社メディアビジネス局共催)に出場し、企業賞の「パナソニック賞」を受賞した。同社の協力で販売が決まった。
インスタグラムで農家に協力を募ると、青森県や福岡県など5軒の農家が、感謝の言葉を添えて規格外野菜を送ってくれた。イチゴやトマトを乾燥させたり、トウモロコシの葉を花形にくりぬいたりして試作を繰り返し、完成させた。
18日はグランフロント大阪南館2階(大阪市北区)で、ハーバリウムと規格外野菜を販売する。午後1時から3時まで。川口さんは「食品ロスに少しでも興味を持ってもらえたら」と願っている。(加藤あず佐)
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