サイホンコーヒーの元日本王者らが淹れるコーヒー店「彩本堂(さいほんどう)」が長野県小諸市に開店した。なぜかミニ盆栽と一緒に出てくる。香りや味を言葉でなく情景として感じてもらう試みで、「『おいしかった』でなく、不思議な感覚になってほしい」。飲んでおしまいでなく、店を出てからも余韻とともに小諸の歴史や文化、自然を感じる新しい喫茶体験の創造に挑む。
日本大会優勝の味サイホンは、化学実験で使うようなガラスの機器で、水蒸気圧を利用してコーヒーを高温で素早く抽出できる。同店によると香りの余韻が長く続くのが特徴で、飲んだ後に声を発したりすると香りが喉から上がってくるという。
彩本堂は、何人ものトップバリスタ(エスプレッソの専門家)を育成したことなどで知られる丸山珈琲(本社・軽井沢町)の元社員で、サイホンに魅せられた3人が開業メンバー。
代表の梅谷匡尚さん(37)は、約5年前まで小諸市にある焙煎の工場長を務めていた。支配人の中山吉伸さん(40)は、サイホンコーヒーの日本大会で3度優勝、世界大会で2度準優勝に輝いた。高橋寛樹さん(26)も日本大会でファイナリストになっている。
香りを情景で表現店の顔となる中山さんは中学生の頃からのコーヒー好きが高じ、10年前にJR貨物から丸山珈琲に転職。配属はオフィス部門だったが、以前買ったサイホンを引っ張り出して腕を磨き、平成25年の日本大会優勝をはじめ数々の栄誉に輝いた。
癒やしのために盆栽を育てていた中山さんは、あるときミカンの一種の手入れをしながら飲んだコーヒーに、かんきつ系のフレーバーをはっきりと感じた。一般にコーヒーの味わいは複雑な言葉で表現するが、感性として視覚的に表現することへの挑戦が始まるきっかけだ。
からの記事と詳細 ( 頼んでないのに盆栽が… 新感覚のサイホンコーヒー店 - 産経ニュース )
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