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Monday, February 22, 2021

野菜のシャキシャキ食感が楽しい ジャガイモと海藻の韓国風お好み焼き - 朝日新聞社

kuahbasolah.blogspot.com

連載「パリの外国ごはん」では三つのシリーズを順番に、2週に1回配信しています。
《パリの外国ごはん》は、フードライター・川村明子さんと料理家・室田万央里さんが、暮らしながらパリを旅する外国料理レストラン探訪記。
《パリの外国ごはん ふたたび。》は川村さんによる、心に残るレストランの再訪記です。

今回は夜間の外出禁止が続く現地から、《パリの外国ごはん そのあとで。》特別編を。海藻を使った韓国風お好み焼きのオリジナルレシピを、室田さんが紹介します。

最近キムチを漬けていまして。

というのも、9月にコロナ陽性となり嗅覚(きゅうかく)障害に悩まされて以降(実は今も嗅覚は100%は戻っていません)、ぬか漬けが全くおいしくなくなってしまったのです。とはいえ発酵したものを体が欲するのでついに、キムチに手を出してしまいました。

何となく韓国の歴史ある料理においそれと手は出せない……と恐れていたのですが(わたしのなかで韓国料理へのリスペクトと憧れがすごすぎて、お前が偉そうにキムチを語るなとセルフツッコミが入るのですよ……)、何しろ市販のキムチを買いに行くとなったら韓国スーパーまで遠出せねばなりません。プラスチック容器もなるべく減らしたいと思っている昨今、海を超えてやってくるものよりはなるべく近くにある食材で……とかグダグダと考えているより、ええい勇気を出してやってみよう、どうにかなるさ、と始めました。

発酵食品は空気中や野菜についている菌の力を借りて発酵しますが、それと同時に自分の手についている菌も大きく関わってくるのです。というわけで、今までの経験上、自分で作った発酵食は自分の菌だから何よりうまいはず!と。

結果、大変おいしいです(私には)。2週間に1回の頻度で漬けています。でも皆様にご紹介するにはまだまだ若輩者で、自信もない。ということで、最近キムチと一緒に食べたい!と食卓に頻出している韓国お好み焼き、チヂミ風の一品をご紹介します(ここまで書いてまさかのキムチレシピではないという事実)。

ブルターニュ地方で海藻を育て、日本の伝統的なやり方で塩蔵しているという方たちと知り合いまして、我が家は最近海藻づいています。塩蔵WAKAMEなんて、お! 日本の物に負けないくらいプリップリ。ワカメもイカしているのですが、いくつかいただいた中で私が今まで食べたことのない海藻でとても気に入ったものがありました。

野菜のシャキシャキ食感が楽しい ジャガイモと海藻の韓国風お好み焼き

Haricots de mer(直訳すると「海の豆」、なんだかインゲン豆に似ているから?)。生でも食べられて、クセがなくシャキシャキして、それでいて海の香りがするのです。皆(ブルターニュでは)どう食べるの?と聞くと「そうね、ジャガイモとニンニクとソテーしたりするとおいしいよ!」と生産者の方からのお答え。あら、おいしそう。じゃあ、ジャガイモベースのチヂミに入れたりしたら良さそうでは!と思ったのです。

結果大当たり。ジャガイモのもちもち、野菜のシャキシャキに海藻の香りがぷんとして、以降我が家ではチヂミには海藻!が定着しています。日本では手に入らないので、芽ひじき(またはおかひじきでもおいしいに違いない!)や、フレッシュな塩蔵わかめが手に入った時にお試しください。

このチヂミ(風)、小麦粉も卵も入っていません。アレルギーがある方にもおいしく食べてもらえたらうれしいです。

ジャガイモと海藻の韓国風お好み焼き

野菜のシャキシャキ食感が楽しい ジャガイモと海藻の韓国風お好み焼き

材料(8枚分)

・赤玉ねぎ 1/4個(色がきれいなので赤玉ねぎですがもちろん普通の玉ねぎでも)
・ニンジン 50g(約中1/2本)
・わけぎ 20g(約1本)
・海藻(芽ひじき、フレッシュなワカメなど) 戻した後の重量20g(乾燥芽ひじきなどは10倍ほど膨らむのでお気をつけください!)
・ジャガイモ 250g(ホクホク、というよりねっとりしたジャガイモの方が合う気がします。男爵よりはメークイン)
・米粉 20g(生地はボリュームが減りますが無ければ片栗粉でも大丈夫。もちろん小麦粉でも)
・自然塩 ひとつまみ
・植物油(香りの少ないもの) 適量
・好みの青い葉っぱ 適量(香菜でもいいし、ニラでもいいし、軟らかな春菊とか日本は手に入ってうらやましい。私は農家さんからいただいた間引き大根の葉と香菜を使いました)

タレの材料
・レモンまたは好みの柑橘(かんきつ) 1/4個(今回はもう旬の名残のベルガモットレモンをぎゅっと搾りました)
・しょうゆ 大さじ1と1/2
・砂糖(あれば黒砂糖か精製していないもの、甘みの丸さと旨味〈うまみ〉が違います) ひとつまみ
・いりごま 小さじ1/2
・ごま油 小さじ1

作り方

1.タレの全ての材料を混ぜておく。

野菜のシャキシャキ食感が楽しい ジャガイモと海藻の韓国風お好み焼き

2.海藻はパッケージの表記に従って戻す。よく水気を切って一口大に切ります。

3.野菜はあまり長く火を通さずにシャッキリ食べたい。細めのせんぎりです。

4.ジャガイモは皮をむきおろし金でおろす。

5.千切りにした野菜と海藻をボウルに入れ、のおろしたジャガイモを入れたら、全体にジャガイモが絡むように混ぜます。私は手で混ぜてしまいます。そうすると満遍なく絡んだかどうかが指先でわかる。

野菜のシャキシャキ食感が楽しい ジャガイモと海藻の韓国風お好み焼き

6.米粉と塩を加え、これもまた全体に行き渡るように混ぜます。あれ、足りないんじゃない?と不安になるような粉の量ですが、写真のような感じなら大丈夫です。

7.くっつかないフライパンに、ちょっと多めの油(ふちに油がたまるくらい。写真のようなフライパンでは大さじ2弱)を熱し、タネの1/8量ずつフライパンに落としていき、あまり厚みが出ないよう、ならします。中火で焼き、いい色がついたら裏返します。一度に8枚焼けなければ、複数回に分けます。タネをフライパンに落としたら、残りのタネはその都度よく混ぜると、おろしジャガが下にたまりません。

野菜のシャキシャキ食感が楽しい ジャガイモと海藻の韓国風お好み焼き

熱々を、たれにつけてたべます。その時何か青い葉っぱがあれば、付け合わせとして一緒に食べるとなかなかにおいしいです。ぜひお試しを。もちろん、キムチがあればぜひご一緒に。これとキムチと炊きたてご飯で、永遠に食べられてしまいます。
 

>>「パリの外国ごはん そのあとで。」バックナンバー

PROFILE

室田万央里

無類の食べ物好きの両親の元、東京に生まれる。17歳でNYに移り住んだ後、インドネシア、再び東京を経て14年前に渡仏。モード界で働いた後に“食べてもらう事の喜び”への興味が押さえきれずケータリング業に転身。イベントでのケータリングの他、料理教室、出張料理等をパリで行う。
野菜中心の家庭料理に妄想気味のアジアンテイストが加わった料理を提供。理想の料理は母の握り飯。未だその味に到達できず。

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