クリスマスを控え、ケーキの主要商材となるイチゴの取引がピークを迎えている。業務需要が強い小玉が品薄で高騰する一方、小売り主体の大玉は苦戦。野菜は、前進出荷の反動や寒波で入荷が減るものの、飲食店の需要が伸びず、相場上昇は小幅にとどまりそうだ。
イチゴの12月中旬の日農平均価格(各地区大手7卸のデータを集計)は、平年(過去5年平均)比2%安の1キロ1921円。長梅雨や猛暑、秋の日照不足などで定植、生育が遅れ、上旬は同2割高をつけたが、遅れていた分の出荷が徐々に増え、平年並みの相場に落ち着いてきた。
産地関係者は「大玉が多い1番果中心の出回り。着色に時間がかかった分、大玉の割合がより高い」と話す。その結果、ケーキに使う業務筋の引きが強い小玉が品薄傾向となっている。東京都中央卸売市場大田市場では、S・M級の高値が1パック (280グラム)1080円で推移。「小玉が足りず、L級も業務用に回して対応している」(卸売会社)状況だ。
一方、大玉が主体の小売りは、供給過多で荷動きがいまひとつ。首都圏に展開するスーパーは、大型店の先週末の販売が前年比で3割減った。「百貨店も売れ行きが鈍く、インバウンド需要もなくなって大玉の動きが鈍くなっている」(産地関係者)。
野菜では、ブロッコリーが前進出荷の反動で入荷が少ない。JA全農さいたまによると、先週前半は日量40~50トンだった出荷が、直近は半減。「寒波で氷点下の日が続き花らい肥大が鈍い。年内は、増えても30トン程度にとどまる」見通しだ。
大手7卸の販売量は、中旬は平年の2割増。潤沢な分、日農平均価格は1キロ239円と平年の24%安だった。卸売会社は「今週は減少もあり相場は持ち直すが、他品目も厳しく上げ幅は抑えざるを得ない」と話す。オードブル商材などで需要があるレタスだが、中旬は1キロ125円。2桁に停滞した上旬からは回復したものの、平年の36%安にとどまる。
JA静岡経済連によると、「生育は1週間前進し、2L級の大玉が増えた分、箱数が多かった。今週は干ばつと冷え込みでペースは落ち着く」という。
一方、関西以西の産地は増量する見通し。卸売会社は「飲食店の注文が伸びず、小売り頼みの販売。不足感はなく、相場上昇は小幅にとどまる」と見通す。
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