妊娠中のカフェイン摂取は有害だと関連づけた新しい研究を、専門家たちが"人騒がせだ"と評している。その物議を醸した研究論文は、専門誌『MBJ Evidence Based Medicine』に掲載された、女性は流産や低体重児、死産を防ぐためにカフェイン摂取を完全にやめるべきだというもの。
しかし、NHS(イギリスの国民保健サービス)や欧州食品安全機関、American and UK Colleges of Obstetricians and Gynaecologists(アメリカとイギリスの産婦人科大学)は、この研究結果は極端であり、妊婦はカフェイン摂取を制限すべきだが、1日に200mg以下なら著しいリスクにはならないと述べている。
新研究はこのテーマについて48件の研究を考察したものだが、論文の著者でアイスランドのレイキャヴィク大学の心理学者ジャック・ジェームズ(Jack James)教授は、自分の研究結果はデータに基づいたものであり、カフェインが胎児に有害かどうかを確実に証明することはできないと認めている。原因と結果の因果関係が示されておらず、喫煙や食生活についての広範な問題など、交絡因子も考慮されていない。
オーストラリアのアデレード大学の薬剤師ルーク・グルゼスコウィアク(Luke Grzeskowiak)博士はBBCに、研究論文は「あまりに人騒がせ」で、証拠として認められるものに一貫性がないと述べている。
「妊娠に関しては数多くの"やっていいこと、いけないこと"がありますから、不必要な不安をあおることは一番よくない」と、グルゼスコウィアク。「結局のところ、妊娠中は、ほどほどならカフェインを摂取してもいいと安心して大丈夫です」
NHSのウェブサイトでは、妊娠中の女性はカフェインを1日200mg、コーヒー2杯程度なら、胎児に特に影響はないとしている。なお、カフェインはエナジードリンクや、少量だがコーラやチョコレート、お茶にも含まれている。
※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
Translation: Mitsuko Kanno From Harper's BAZAAR UK
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