新型コロナ禍の影響で、おうちで毎日ごはんを作る方も多いでしょう。
お買い物は3日に1度に、と言われていますから、食材はまとめて購入、冷蔵庫には買った食材がぎっしり!という状態ではありませんか?
せっかく買いおきした食材は、できるだけ長持ちさせて、最後までおいしくムダなく食べきりたいですよね。
でも、数日たってから食べようとすると、なんだかおいしくない、なんだかにおう…というときは、もしかしてその保存方法がまちがっているかもしれません。もう一度、正しい食材保存方法をチェックしてみませんか?
- まず知っておきたい。食材が傷んでしまう7つの要因
①水分
食材に含まれる水分が蒸発してしまいみずみずしさが失われる場合と、水分が多くなることで微生物が発生する場合があります。
②酸化
食材に含まれる酵素と、空気中の酸素が反応して起こる反応。野菜の切り口などが茶色くなるのがその例。
③日焼け
日光の当たる場所に食材を置くと、温度が上がって変質します。
④保存する温度がまちがっている
食材には食材ごとに適した保存温度というものがあります。温度が低すぎても「低温障害」を起こす場合があります。
⑤腐敗
有益な微生物や酵母が働くと「発酵食品」となりますが、腐敗はさまざまな微生物が増殖して変質し、有毒な成分を作ることもあります。
⑥熟成
野菜や果物は収穫後も成熟を続けますが、それを促すのは「エチレンガス」。りんごやアボカドなどはエチレンガスを多く放出しますが、その影響を受けやすい野菜もあります。
⑦害虫
乾物や米など、長期間保存するものは小さな虫がつくこともあります。未開封のものでも包装を食い破って入ることもあるので、長期保存には注意が必要です。
- 肉・魚をおいしく保存するカギは「ドリップ」
ドリップとは、肉や魚などを解凍したときに出る水分のこと。その汁には、うまみや栄養分が含まれています。水分を失った食材はやわらかくなりすぎたり、食感も変わったりしますし、残った水分が菌の繁殖を促すこともあります。
つまり、このドリップが、肉や魚のおいしさを左右するカギなのです。
- 肉類を冷蔵室で保存するなら →「ドリップ」を取り除いて、チルド室での保存がベスト
買ってきた肉類は、できるだけ早くチルド室やパーシャル室など、冷蔵庫の「低温度室」に入れるようにしましょう。
肉から出たドリップをとり除いて、ラップなどでぴっちりと包んでから保存すると、より雑菌が繁殖しにくくなります。
- 肉類を冷凍庫で保存するなら → トレーから出してラップにくるみ、ファスナーつき保存袋へ
トレーのまま冷凍してしまうと凍るのに時間がかかりますし、さらに解凍時にドリップが出やすくなります。
冷凍する際には必ずトレーから出し、ラップで包んでファスナーつき保存袋に入れて冷凍しましょう。また、アルミトレーの上などに置いてから冷凍すると、急速に冷凍できるのでおすすめです。
なお、冷凍した肉を解凍する際は、低温でゆっくりと自然解凍するのがおすすめです。急速に解凍すると、ドリップとともにうまみが流れ出てしまうことがあります。
- 野菜を冷蔵室で保存するなら → 基本は冷蔵庫の野菜室に
水分が蒸発しないようにポリ袋に入れたり、ぬらしたペーパーでくるんだり、もともと縦に生えていた野菜は立てて保存するなどで、野菜の種類に合わせた一工夫で鮮度が落ちないようにしましょう。
- 野菜を冷凍庫で保存するなら → 冷凍・解凍時の3つのコツ
冷凍や解凍ムラを防いでおいしく食べるために、3つのポイントをおさえておきましょう。
①水分を取り除く
洗ってから、ゆでてから冷凍する場合などは、できるだけ水分をとり除いておくのが鉄則。
②空気を抜く
酸化や霜を防ぐために、空気はできる限り抜いてから冷凍を。
③食べやすい大きさに切って冷凍する
あらかじめ食べやすい大きさに切っておくと使うときに楽ですし、冷凍・解凍の際も温度ムラがなくスムーズです。
この本には、上記の情報以外にも、多くのご家庭にある常備食材166種に適した保存方法を、1種類ずつ細かく紹介しています。これから暑くなる夏に向けて、さまざまな食材の保存にお役立てください。
- 著者プロフィール
料理家、管理栄養士、調理師、料理教室「cook会」主宰。
杉並区阿佐ヶ谷を中心に、数多くの料理教室を開催。バラエティー豊かなレッスン内容で、幅広い年齢層の生徒に支持されている。著書に『低糖質だからおいしい!「おやつ&スイーツ」』(K&M 企画室)、「ちょこっとだけ漬けもの:いろんな味で少しだけつくる」(学研プラス)などがある。
- 書誌情報
■タイトル:食材保存大全
■著:沼津りえ
■A5判/240ページ
■定価:本体1600円+税
■発売日:2020年3月26日発売
https://www.amazon.co.jp/dp/4074411415?tag=shuf-22
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