約50日ぶりに、最高気温が32度を超えた東京都心。夏の高気圧の勢力範囲に入ったが、近づく熱帯低気圧(台風となる予想)による大雨を警戒して、梅雨明けを遅らせている。
東京都心で32.4度
25日(木)の関東地方は午前中、雲が多かったものの、午後は夏空が広がりました。東京の最高気温は午後2時前、32.4度を記録し、49日ぶりに気温が32度を超えました。
この夏一番の暑さか、と思いましたが、実は5月26日の32.6度が最高です。久しぶりに暑くなったからでしょう。
暑くなったのは日中だけではありません。朝の気温も今月17日以降、20度を上回る日が続いています。今朝も熱帯夜こそならなかったものの、寝苦しさを感じるようになりました。夜の気温が下がらなくなると、いよいよ本格的な夏の到来です。
夏の高気圧の勢力範囲
25日は中国地方で梅雨が明けました。梅雨が続いているのは東海、関東甲信、東北地方です。
強い日差しと熱風を感じるようになっても、梅雨が明けないのはどうしてなのでしょう?
梅雨明けに明確に限定された決め事はなく、向こう一週間、高気圧に覆われて晴れる日が多くなることを主に考えます。判断のひとつとして、夏の高気圧=太平洋高気圧にどのくらい覆われているのか、上空の観測データを見る方法があります。
だいぶ専門的になりますが、気圧が500hPaとなる高さを見たものです。高さが5,880メートルを超えると、夏の高気圧の勢力範囲に入ったことになります。関東地方を代表して、館野(茨城県つくば市)、中国地方を代表して松江(島根県)の観測データをグラフにしてみました。
今月15日以降、気圧が500hPaとなる高さが上昇しているのがわかります。20日には館野で、夏の高気圧の勢力範囲である5,880メートルを超えました。松江も同じように、夏の高気圧が強まった様子がわかります。
なぜ、関東は梅雨が明けない?
このグラフから中国地方が梅雨明けして、関東地方が梅雨明けしない理由は説明できません。関東地方と中国地方に大きな違いはなく、関東地方の梅雨は終わっていると考えてもいいでしょう。
実は別のところに理由があるのです。
近づく熱帯低気圧
25日午後3時現在、小笠原諸島の西の海上に熱帯低気圧があり、時速15キロで北上しています。今後、台風となる可能性があり、27日(土)から28日(日)にかけて、東海から関東地方に近づく見通しです。
熱帯低気圧の東側(右側)には発達した雨雲が広がっているため、夏空が一転、大雨となるおそれがあります。
関東地方の梅雨明け発表がないのはこの熱帯低気圧による大雨を警戒しているからです。26日(金)午後6時から27日(土)午後6時までに東海地方で100ミリから200ミリ、関東甲信地方で100ミリから150ミリの雨が予想されています。この雨は28日(日)にかけて続く見通しです。
【参考資料】
気象庁:発達する熱帯低気圧に関する情報 第02の06号、2019年7月25日
気象庁:大雨と強風及び高波に関する全般気象情報 第3号、2019年7月25日
2019-07-25 08:16:00Z
https://news.yahoo.co.jp/byline/katayamayukiko/20190725-00135658/
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