今井さんちの完熟梅レシピ
ジッパー袋で作る梅干し
まずは、ジッパー袋に梅と塩を仕込み、2週間〜1ヶ月ほど漬けて「梅の塩漬け」を作ります。梅酢(梅のエキス)があがってきて、なみなみと梅が浸かっている状態で仕込み完了! 晴れた日に干します。「干す」方法もぐっとお手軽な方法です。
材料
- 黄熟した梅 ……600g
- 粗塩(梅の18%)……108g
- 焼酎……50ml
使う道具
冷凍用ジッパー保存袋
梅の下ごしらえ
1.梅は流水で優しく丁寧に洗います。
2.次にカビの原因となる水気を拭きます。
「時間に余裕のある方は布巾の上に広げて、少し放っていてもいいくらいです」(今井真実さん)
3.なり口のへたを爪楊枝などで、そっと傷つけないように取ります。
「どうしても取れない場合は無理せず、そのままでも大丈夫です」(今井真実さん)
4.なり口の穴も丁寧に水気を取ります。
キッチンペーパーでこより状にすると水気を吸いやすいです。
ここまでがどの梅仕事でも行う「基本の下ごしらえ」です。
「ジッパー袋で作る梅干し」の作り方
仕込み編
1.下ごしらえした梅とホワイトリカーをジッパー保存袋に一緒に入れます。
2.梅を充分に湿らせます。
3.ホワイトリカーを捨てます。
これは袋と梅の表面やなりくちの殺菌を兼ねています。
4.お塩を 1 度に入れます。大きく揺すって、梅にお塩を絡めます。
これで出来上がり! あっという間でしょう?
5.空気を抜きながらジッパーを閉じましょう。
※ ジッパー部分と底の角部分から、梅のエキス「梅酢」が漏れやすいので注意!
「出来上がったら、袋を二重にしたり、必ずバットや深めの器、ボウルなどに入れておくといいですよ。袋を触ってぺたぺたしたら、殺菌した保存容器に移してください」(今井真実さん)
6.梅のエキス「梅酢」が出るまでよくチェックしてください。
時折ゆすったり、2,3日しても梅酢が出ない時は写真のように重しを乗せます。
写真はジッパーの上部がはみ出してしまっていますが、これは梅酢が漏れる原因になります。必ずバッド内に入れておきましょう。
「梅酢の漏れさえ気をつければ、ジッパー袋の梅の塩漬けは、梅酢が上がりやすく一番カビにくい方法です。梅酢がたっぷり出て梅が梅酢に浸かっていたらカビの心配はないでしょう」(今井真実さん)
7.2週間〜1ヶ月ほど漬けたら、「梅の塩漬け」は完成! 晴れた日に干します。
写真は1ヶ月後の「梅の塩漬け」です。梅酢(梅のエキス)があがってきて、なみなみと梅が浸かっている状態です。
仕込み編は完了! 「梅の塩漬け」を天日干しにしたものが「梅干し」になります。
「ジッパー袋で作る梅干し」の作り方
天日干し・準備編
1.すべての道具は消毒しておきます。
2.まず、梅と梅酢を分けます。
3.干しザルに合わせてオーブンシートを敷きます。これはザルに梅がくっついてしまうことを防ぐためです。
4.くしゃくしゃにして凹凸を作り広げます。
5.隣同士、くっつかないように梅を並べます。
「ザルが無くたって大丈夫です。木のまな板や、木の器にオーブンシートを敷いて並べましょう」(今井真実さん)
「ジッパー袋で作る梅干し」の作り方
天日干し編
1.外に干す時は、下の写真のように洗濯用具を使うと便利です。
2.分けた梅酢もラップをして殺菌のため日光に当てます。この梅酢は、梅干しと同様に賞味期限がないといわれるほど、長持ちします。
3.雨が降りそうだったり、平日にかかってしまう時は、日光の当たる窓際に置いておきましょう。合計のべ3日間、外の日光に当てれば出来上がりです。
4.干し終わった梅は梅酢に戻さず、保存袋や保存容器、瓶に保存しましょう。
5.梅酢も同じように、容器や瓶などに保存しましょう。
上手に干すポイント
焦らないで大丈夫!
「土用干し」という言葉がありますが、土用の時期を過ぎてしまっても大丈夫です。
「梅はいつ干したって良いんです」(今井真実さん)
長く塩漬けした梅干しもおすすめです
実験のため、1年塩漬けしてから干してみたという今井さん。
「これが、なかなかに美味しいんです! 塩味も丸く、熟成されています。1ヶ月ほど漬けた梅の果実のフレッシュさとは別の『うまみ』があったのです。それから私は『土用干し』をやめて、出来るだけ長く塩漬けしてから干すようになりました」(今井真実さん)
梅の様子を観察しながら、臨機応変に
梅を干すとき『3日間天気の良い日に干す』という決まりがありますが、忙しいとなかなか難しいものがあります。
『合計のべ3日間、外の日光に当てる』これで大丈夫!
「出かける時や目を離す時は、窓際に置いておけば大丈夫。窓越しでも日光に当てて、扇風機などで風通しをよくすれば良いですよ。そして、時間ができた時に外に出す。その合計時間が『3日間』であれば問題なく成功します。
大切なのは梅の様子を観察すること。表面に塩が吹いた状態になるまで乾けば大丈夫です」(今井真実さん)
「ジッパー袋で作る梅干し」完成!
出来上がった梅干しは、梅酢と分けて保存しましょう。
梅酢は来年梅漬けを作る際に、カビを生やしたときのためや、雨に濡れてしまった時の応急処置用に取っておきます。
そのほかにも寿司酢に混ぜたり、ふだんのお料理にもぜひ塩味のあるお酢として活用してください。
出来立ての梅干しは、 パリッとした皮と、とろとろの果肉のコントラストが際立っています
「まずは出来立てのフレッシュの梅干しをご飯と一緒に召し上がれ。果実感を感じ、太陽の熱を帯びてほんのり温かいのも良いんです。パリッとした皮と、とろとろの果肉のコントラストもたまりません」(今井真実さん)
時を経るにつれ梅の表面は柔らかに
「こちらの写真は去年作った梅干しです。じっとりしている様子がわかります。カラッと干しても、果肉からじわじわとエキスが染み出します。置いておくと、どんどん梅の表面も柔らかさが増してきます。だいたい3年くらい経ったものが美味しさのピークだと思います」(今井真実さん)
▽完熟梅の梅仕事レシピはこちらにも
撮影/今井裕治 料理・文/今井真実
こちらは2022年6月26日LEEweb記事「今井真美さんちのほっこりうめしごと」に掲載のレシピです。
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