栄養摂取に加え、安心・手軽でも支持集める
カゴメの野菜飲料(写真:カゴメ)
「もう10カ月、在宅勤務が続いています。通勤しなくていいのはラクですが」
大手企業の男性会社員からこんな声を聞いた。
新型コロナウイルスの感染防止対策で、多くの社会人がリモートワークを続ける。勤務状況を取材すると「週に1~3日の出勤」(業務内容に応じて出勤日数は変わる)という働き方が多い。中にはこの男性のように、ほとんど通勤しない人もいる。
その結果、かつての通勤時代より運動不足となる人が多く、飲食における栄養面を気にする人も増えた。
これまでの取材で「牛乳やヨーグルトなどの乳製品が売れた」(大手小売業)といった声を聞いたが、最近は野菜飲料も人気だ。筆者の周囲でも、2020年から飲む回数が増えた人が目立つ。
なぜ人気が高まっているのか。野菜系の飲料を多く展開するカゴメに話を聞き、コロナ禍の消費者意識を考えてみた。
大容量タイプは前年比で2桁増
「在宅勤務が中心となって消費者の健康意識が高まり、野菜飲料を野菜摂取だけでなく“栄養摂取”や“保存性”、それに“衛生面”の観点で選ばれる方が増えています」
カゴメの西田裕美氏(マーケティング本部 飲料企画部長)はこう話す。
栄養摂取や保存性は理解できるが、衛生面で選ぶとはどういうことか。
「コロナ禍という敏感な時期なので、生の野菜への心理的な不安もあるようです。日常の食生活で手軽に体調管理したいという消費者の意識が、より飲料に向かったと見ています」
トマトに含まれるリコピン、ニンジンなどに含まれるカロテンの栄養素はよく知られている。こうした複合要因の結果、同社の野菜系ブランドの業績は伸びた。
「2020年1~9月の実績では、主力商品である『野菜生活100』はブランド全体で対前年比107%、『野菜一日これ一本』は同109%、『カゴメトマトジュース』は同101%となりました。特に大容量タイプ(※)が大きく伸び、前の2ブランドは対前年比2桁増になっています。家族それぞれの在宅時間が増えたことも大きいですね」
※大容量タイプは、720ミリリットルのペットボトルや1リットルの紙容器をさす。
からの記事と詳細 ( カゴメの野菜飲料が在宅勤務の人に選ばれる訳 - 東洋経済オンライン )
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