バランスのいい食事は日ごろから大事だが、食料が満足に手に入らなくなる災害時は難しい。保存期間が短く、救援物資に不向きな生鮮野菜などは代表例だ。だからこそ、自分で備えておくことが大事。「イモ類や根菜類など常温保存できる野菜のほか、野菜ジュースやトマトジュースを備えておくと安心」と、管理栄養士の今泉マユ子さん（５０）は話す。
動物性タンパク質を補うならコンビーフがおすすめ。牛の塩漬け肉を砕いて牛脂で固めたものだ。鉄分、亜鉛も豊富で「貧血予防にも効果大」。軟らかくほぐれやすいので、歯の弱い人でも食べやすい。
コンビーフは味付きで、そのまま食べてもジューシー。トマトジュースを足せば、水分と酸味が加わってさっぱりとしたトマト風味に。今泉さんは「野菜の栄養分も取れて一石二鳥」と太鼓判を押す。コーンを混ぜると食感もプラス。好みで黒コショウを足してもおいしいという。
コンビーフは缶詰からプラスチック容器が主流に。アルミシートをはがすだけで開封でき、中身も取り出しやすいなど、使い勝手がよくなった。常温保存でき賞味期限は三年。今泉さんは「かりかりに焼いても、炒め物に入れてもおいしい。普段使いしながら災害時に役立てて」と話している。 （添田隆典）
＜協力・ベターホーム協会＞ ＝第一土曜掲載
【材料＝２人分】コンビーフ１個（８０グラム）、トマトジュース５０ミリリットル、ドライパックのスイートコーン（パウチ入り）１袋（５５グラム）
【作り方】ポリ袋に材料をすべて入れ、袋の上から手でもんで混ぜる。
◆今泉マユ子さんのポイント
・災害時は栄養不足になりがち。保存食を選ぶ際にはバランスを大切に
・野菜不足はトマトジュース、野菜ジュースで補える
・動物性タンパク質を補うならコンビーフ。ミネラル豊富で貧血予防にも
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