山里にコーヒーの香り漂う－。千葉県市原市月出に構えた「ヤマドリ珈琲」の工房で、袖ケ浦市の小野剛さん（57）と沙織さん（42）の夫妻がコーヒー豆の焙煎に取り組んでいる。安らぎの一時を提供するコーヒーは個人の注文が伸びており、新型コロナウイルス感染防止による外出自粛で在宅時間の増加によるらしい。
工房はイベント会場などに使用される「月出工舎」（旧市原市立月出小学校）内にある。焙煎担当の剛さんは「豆がはぜるタイミングや釜の温度上昇の確認、豆の取り出しなどでは集中する」という。沙織さんは、焙煎前後2回、自然光のもとでハンドピックと呼ばれる豆の選別を行っており虫食いや割れ、異物の有無などを調べる。
店舗への卸し販売のほか、インターネットの個人注文が伸びており、新型コロナの感染防止対策で在宅勤務や不要不急の外出自粛が背景にあると推測する。不定期だった焙煎も注文増加で週2回、月曜と木曜日にまとめて行うようにした。これにより仕事での外出回数を減らすことになり、感染リスクの軽減は家族の安全安心につながる形だ。
本業は2人ともフリーのITエンジニアだが、焙煎の仕事のウエートが増す。剛さんは「将来、自分で収穫した豆を焙煎し、飲んだり商品化したい」、コーヒーに詳しくなったと言う沙織さんも「コーヒーで染色したバッグなどを販売したい」と意欲を見せる。
インドネシア産の2種類の豆を使ったオリジナルの「ヤマドリブレンド」（100グラム税込み800円）などを販売しており、最近はメキシコ産の豆が人気という。詳しくはショッピングサイトyamadori-coffee．stores．jpで。
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