
ライクマーケットのコーナーです。今回は、野菜の新たな流通を作ろうとする人々を取材しました。現在、販売されている野菜のほとんどは、JAなどを通じて卸売市場へ集められスーパーなど小売店をへて、私たち消費者の元へ届きます。しかし、市場に出すにはある程度の量が必要で、出しても収入はその時の市場価格しだいでばらつきが出ます。逆に量が出せないと、売り先を自分で見つける必要があえい農家にとって販売先を確保することは結構大変なんです。こうした中、市場を経由しない新たな流通を目指すのが、やさいバスというサービスです。
道の駅に置かれた『やさいバス停留所』と書かれたコンテナ…中には農作物が入った段ボールがぎっしり詰まっています。
その後1台の冷蔵トラックが停留所に到着し、中の野菜を回収しました。
【シモカワ運送・下川力社長】
「ここが一番多いところなんで。数的には徐々に増えてきてますね」
その後も、停留所を回って次々と野菜を集めていきます。これが『やさいバス』です。
【やさいバス広島企画営業・森塚佳世子さん】
「野菜を運ぶ流通の仕組みですね。バス停って決まった時刻にバスが来ますよね。ここで待ってるとバスが来て運んでくれる。人を運ぶように物が運ばれるっていう、そういう場所になっています。ルートを作ることで野菜バスの仕組みを使うことで385円、買う人が払います。120サイズコンテナの中に物を詰め込んで運べる」
やさいバスは、野菜の集配所をバス停に見立て、農家が共同で配送する仕組みで注文を受けると野菜の売り手・農家はバス停で野菜を出荷し、買い手はバス停で野菜を受け取ります。
今月から週3日、世羅町や三原市など県の東部を回る配送ルートが新たに作られました。
「こんちわー!」
利用者の多くは、スーパーや飲食店などの販売店です。地元から直接仕入れることで、鮮度のいいものが安く手に入るだけでなく、数が少なく市場には出回らない珍しい野菜が購入できるなどメリットも多いといいます。注文は『やさいバス』のホームページやアプリ上で行います。農家は自分が作った野菜の売値を決めることができ、収入の安定につながります。
さらにこんなメリットも…
【やさいバスを初めて利用した男性】
「ちょっと(農業を)始めたばかりなんで、出荷するところに困っていたので、その点はちょっといいかなと」
県の東部から出荷された野菜が、およそ半日かけて最後のバス停、広島市中心部の百貨店へ到着しました。地下の生鮮食料品売り場には、およそ1年前から『やさいバス』の売り場があり、定期ルートができたことで品ぞろえがさらに充実しました。
【やさいバス企画営業・竹内正智さん】
「この人が作っていますよというのを紹介して、その人自体のファンになってもらえればいいなというのが、やさいバスの一つのコンセプトでもあるので。生産者さんもそれを望まれてると思うんで、僕らもうまくアピールできるように今後も活動していきたい」
やさいバスの集荷ルートは、他にもあります。庄原市高野町から高速路線バスで広島バスセンターまで乗客と一緒に野菜も運ぶ『貨客混載便』です。野菜の新鮮さを武器に、売れ行きは伸びているといいます。
【そごう広島店食品担当・神田守樹係長】
「やはり徐々に認知をされることによって、最初のご購入の数よりも今は5倍10倍のお客様のご購入にまで広がってきております」
【ライクマーケットジャンクション】やさいバス=想い×連携
やさいバス、東ルートの野菜の集荷を担当するのがシモカワ運送です。社長の下川さんは、強い思いを持って、やさいバスに協力しています。
シモカワ運送は、県内の農家から野菜の配送だけでなく、袋詰め作業も請け負っています。
手間と時間のかかる毎日の袋詰め作業から農家を解放し、質のいい野菜づくりに専念してもらうためです。
【シモカワ運送・下川力社長】
「実際に農家さんところに集荷に行ったり、十数年見てきて。その中でこの物流の力で救いたいという、まあちょっとした使命感が生まれてきて。今までは少量しか作れなかった野菜っていうのは、ほぼ出荷できなかったんですよね。ある程度のロットがまとまって初めて出荷できるもんで。ただそれが少量でも販売ができるというのはこの仕組みだと思います。収入面が安定するっていうことですよね」
三原市でナスを生産する森川さんの畑です。ナスのほとんどは市場へ出荷していますが、自身が育てるブランドナス『美~なす』を知ってもらうため、やさいバスへの出品も始めました。これまでの流通とは違った良さを感じているといいます。
【みのる農園・森川稔也さん】
「セリにかけるのと後はスーパーさんとの値段の駆け引きみたいな感じで出しているので、やさいバスは買い取ってからの販売なのでロスはないですね」
やさいバスの運送を担う下川社長と打ち合わせを行うこの男性は、やさいバス大使の平岩さんです。現在、新たなバスルートを作るべく活動しています。
【やさいバス広島大使・平岩宏隆さん】
「今度、廿日市から野菜を持ってこれないかなと。やさいバスのルート作れないかな」
実は平岩さんは、業務用食品卸会社の専務です。本業の合間を縫って、やさいバスの普及に努めています。
【やさいバス広島大使・平岩宏隆さん】
「やさいバスと知り合って、こういう仕組みが地域に定着したらいいなと。食品卸を長らく、このエリアでやらしてもらってる会社としてですね、そういうのを手伝って定着させる。それがまた後々我々にとっても良いことになるんじゃないかなと」
【シモカワ運送・下川力社長】
「実際に自分がハンドル握って、いろんな農家さんと関わる中で、これから参戦して行きたいっていう声は聞くようになったので。実際、荷物も増えてきてます。これをきっかけに期待が大きいですね」
地域の中で野菜を流通させ、作り手と使い手を結びつける、やさいバス。物流の力で地産地消を後押しします。
からの記事と詳細 ( 「やさいバス」産地から消費地へ 少量でも新鮮な野菜届ける新たな物流サービス 広島 - www.fnn.jp )
https://www.fnn.jp/articles/-/249118
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